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和心あふれる日本料理

    季節感を大切にする日本料理

    日本は料理に限らず、季節感をとても大切にします。

    着物に始まり、お部屋の設え、食器に至るまで

    その時期のものを大切にし、

    相手を気遣う和心の表れですね。

     

    特に日本料理は 旬を大切にし、

    その時期ならではの食材をふんだんに使います。

    旬の栗をふんだんに使って

    今月の日本料理レッスンは 

    栗と山の芋で作ったお饅頭に

    鶏そぼろを鋳込んだ

    栗饅頭を作ります。

     

    ほっくりした栗の甘みと

    あんが絡まって 見た目もお味も

    満足度の高いお料理。

     

    その分、手間もかかります。

     

    栗の皮を剥いて ゆでて潰して

    丸めて揚げる・・・。

     

    手間をかけた分の味わいは

    裏切りません。

     

    デザートのブリュレにも

    自家製の栗の甘露煮を忍ばせて。

    黒糖のコクと 栗の上品なコラボが絶品です。

    手間と思うか、楽しみと思うかで 全く違った感覚で作れます。

    料理の見方を変えると

    料理を「作らなければいけない」

    「面倒くさい」

    と思ってしまうか、

     

     

    食べる時を想像して、作る事自体を楽しめるか。

     

    それによって 負担に思う気持ちも

    全く違ってきます。

     

    料理が好き、得意

     

    とおっしゃる方は、

    美味しく作れたり、

    褒められた成功体験がある方のように思います。

     

    一方、料理が嫌い、苦手

    とおっしゃる方は、

    せっかく作ったのに

    美味しく作れなかった、

    失敗した、

    喜んでもらえなかった…。

     

    そんな積み重ねで

    「ただ、面倒な事」

    になってしまったのではないでしょうか。

    手間暇かける日本料理

    私が若い頃、会席料理を習った時は、

    なんて料理に手間暇かけるんだろう…。

    と驚いたものです。

     

    ひと切れのごま豆腐を作るために、

    ごまを炒って、

    すり鉢であたって、

    布濾しをして

    お鍋で手を休めることなく

    15分~20分かけて練り上げます。

     

    ひき肉は一切使わず、

    包丁で全て叩きます。

     

    実際に頂くのはほんの一口ですが、

    手間暇かけたからこその味わいが

    伝わってきます。

     

    素材を大切に扱い、食べる人の事を考えて

    食べやすさや温度、見た目などに工夫を凝らす。

     

    だからこそ、食べる人に満足感を与えて

    心底「おいしい」と味わえるのかもしれません。

    作る時の気持ちが料理にも表れます。

    料理に気持ちが表れる…

    抽象的な表現かもしれませんが、

     

    事実、コップの水に

    褒めたり、きれいな言葉がけをしたものと、

    罵声を浴びせ続けたもの、

     

    両方を比較すると、明らかに水の分子の形が

    違っていたという研究結果があります。

     

    料理にも気持ちが表れる、というのは

    納得ですね。

     

     

    同じ作るなら

    楽しみながら、

    食べる人の笑顔と

    喜んでくれるのを想像しながら、

     

    また美味しく頂く事を楽しみにして…。

     

    季節の恵みに感謝しつつ

    美味しく味わいたいものです。