料理教室を始めたきっかけ 3
学校を卒業し、私は料理とは全く関係のない、商社に就職しました。
その頃 流行りだった、『花のOL』に憧れて、神戸の貿易商社に。
が、勤務地は大阪、しかも総務課でした。
元々英語を使った仕事、父が少しやり始めていた貿易の仕事を勉強するためにも 携わりたかったのに、配属されたのは全く違う職種でした。
受付、経理、使いっ走り、など、… 支店の総務課だったので、仕事は多岐にわたっていました。
でも、そこで 経理を始めて学び、人との応対や 文章作成など、色々勉強させてもらいました。
働き出して自由に使えるお金ができたので、休みになると 趣味の料理を習いにもよく行きました。
ほとんど単発で、パンやお菓子、フランス料理、中華料理、会席料理など。
色んな教室に行き、いろんなお料理を習いましたが、ほとんどが 『ただ皆で作って試食する』
というものでした。
中には、数人でグループになってお料理する場合など、年配の方が取り仕切って、洗い物だけで終わる…なんて事も。
そんな中、会席料理のお教室だけは違っていました。
お友達に、たまたまキャンセルの穴埋めとして誘ってもらって行ったのですが、
『何故、こうするのか。』
『このような状態になったら こうする』
など、具体的にわかりやすく 納得いく理由と説明を入れながら教えて下さるのです。
初めて行かせて頂いた時は、本当に”目からうろこ”で 衝撃的でした。
お料理も素晴らしく、また先生のお人柄にもほれ込み、キャンセル待ち1年、という教室でしたのに
何故か翌月から入らせて頂けることになったのです。
私の目の色が違っていたのかもしれませんね。(笑)
それからは先生の一言一句を聞き漏らさないよう 真剣にはまり込んでいきました。
そこで得た知識は、今でも私の料理の土台、基礎となっています。
ただ、あまりにも手間ひまをかけ、こだわりぬいた食材と作り方なので、そのやり方は一部しか取り入れていません。
かなり端折りながら、簡単で美味しいを追求し、独自のやり方に進化させてきました。
が、そこで得た知識があってこそ、どこを省いたらいいか、味に影響するところは手間をかける、
といった選別ができるのではないかと思っています。
そうこうするうち、私も その当時で言う 適齢期になり、結婚、寿退社、1年後には出産、という一般的な流れを経ていきました。